マダガスカル紀行
ここでは1998年の国際霊長類学会の際に訪れたマダガスカル共和国を、
私が訪れた首都のアンタナナリボやワオキツネザルで有名なベレンティ公園を中心に紹介します
1.マダガスカルとは
- マダガスカル共和国は、アフリカ大陸の南東部から、392km東のインド洋にある島国です。世界で4番目に大きなマダガスカル島と沿岸の小島から構成されています。
- 面積は、約59万km2、1994年の推計では人口は約1347万人です。
- 首都はアンタナナリボで、旧称はタナナリブです。現地の人たちは略して「タナ」と呼んでいます。
- マダガスカル島の気候は、東部、北西部の雨量の多い熱帯性気候、西部、南部の乾燥地域気候、中央高地の温帯気候の三つに大別されます。ちなみに私は8月に訪れましたが、中央高地にあるタナは寒いくらいで、朝晩はセーターが必要でした。
- アフリカ大陸から比較的近いところにありますが、動物相は特異であり、動物地理学上はセイシェル諸島など隣接諸島とあわせて旧熱帯区のマダガスカル亜区として区分されています。概して種類数は多くなく、東洋亜区(インド、東南アジア)よりはエチオピア亜区(アフリカ)に近いとされていますが、マダガスカル特産の動物群も数多く見られます。
- 哺乳類は、翼手類(コウモリの仲間)と人間が持ち込んだとみなされるものを除くと、食虫類、霊長類、齧歯類、食肉類の4目だけが生息しています。霊長目では、コビトレムール科、レムール科、メガラダピス科、インドリ科、アイアイ科といった原猿類だけが生息しています。
- 全般に乾燥していてマメ科(ジャケツイバラ亜科)やバオバブ類(アダンソニアAdansonia)などの樹木の疎生するサバンナの面積が広くなっています。南部はとくに乾燥が厳しく、ユーフォルビア、パキポディウムなどの多肉植物と、刺植物の低木群落で占められています。
- マダガスカルの先住民は東南アジア出身で、アフリカ大陸の東海岸に移住したのち、10世紀ごろマダガスカル島に移住したといわれています。そして17世紀初頭、中央高地にアンドリアナ王国(後のメリナ王国)を建設しました。王国はアンドリアナ王家と貴族階級(ホバ)、奴隷(アンデボ)からなる中央集権的王国であり、王都はアンタナナリボに置かれました。
- こうした歴史から、マダガスカルはアフリカ大陸南部の島でありながら、ほかのブラック・アフリカ諸国とは異なり、マレー・ポリネシア系の独特の民族構成と稲作に代表される独自の文化をもっています。
- マダガスカルには多くの民族が住んでいて、様々な言葉が使われる一方、共通語として、マラガシー語が使われています。これはオーストロネシア語族に分類され、文化的にも東南アジアとの関連が顕著であるとされています。公用語は旧宗主国のフランス語です。
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