比較行動学特講

開講学年:修士1年
前期 火曜日 1限 2単位

授業テーマ:行動をキーワードとした人間の生物的特性の理解

授業の到達目標
この講義では、比較行動学の基本的な考え方を学ぶとともに、この考え方に基づいて人間の生物的特性を理解することを第一の目的とする。また比較行動学に関連する研究の実例を学ぶなかから、実証的な研究を進めるために必要な方法や考え方を身につけることを第二の目的とする。

授業内容
比較行動学(エソロジー、Ethology)とは、行動を手がかりに、人間を含む動物の進化のメカニズムを探ろうとする学問分野である。そこでこの講義では、まず生物進化に関する基本的な考え方や進化に関連する学問領域の最新の動向について講義する。その上で、とくに人間以外の霊長類(サルの仲間)を中心として、人間以外の動物と人間の行動を比較した研究の成果について紹介する。さらにこうした研究内容の紹介を通して、実証的な研究を進めるための心構えについても論じる。

授業計画
1.比較行動学(エソロジー)とは、2.進化とは、3.自然淘汰、4.性淘汰と性差の進化、5.人間の性の特徴、6.賢さの進化、7.なぜ人間は賢いのか?、8.互恵的利他行動、9.互恵的利他行動を進化させる近接的要因、10.感情の進化、11.人間は合理的か?、12.他者の意図に気づくメカニズム、13.「自己概念」はどのように進化してきたか、14.言語の進化、15.まとめ

授業の進め方:板書を中心とした通常の講義形式で行う。また必要に応じてプリントを配布するとともに、ビデオやスライド、ホームページ等の映像資料も用いる。

課題に対するフィードバック
学生の発表や授業中の質問に対するコメントという形でフィードバックを行う。

評価方法:レポート試験の成績(60%)と受講態度(40%)。レポートについては、一貫した論理に基づいて書かれているかどうかを評価の観点とする。受講態度については、受講中の質疑における受け答えを評価の観点とする。

事前・事後学修
授業終了後にノートを読み返し、その回の内容を整理しておくこと(15分)。授業の前に前回の内容を確認し、授業に臨むこと(10分)。

担当教員メッセージ
この講義を受講することで、人間がいかに変わった動物かということを理解してもらえればと考えています。

キーワード:行動、人間、動物、こころ

教科書:教科書は使用しない。

参考書:指定しない。必要となる参考書はその都度示す。

比較行動学特講には講義資料はありません。
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