生命の科学

開講学年:1〜4年
前期 月曜日 4限 2単位
後期 月曜日 2限 2単位

授業テーマ:性と性差の生物学

授業の到達目標
この講義では、性や性差の問題を生物学の立場から学ぶことを通じて、生物学や進化についての基本概念を習得することを目標とする。

授業内容
人間を含む多くの生物にはメスとオスが存在する。そして、それぞれの性に特徴的な性質が認められる。一方、生物の中には性を持たないものも数多く存在する。それではなぜ「性」は存在するのか? なぜ世の中には「メス」と「オス」しか存在しないのか? なぜ雌雄が存在する生物の多くは、メスとオスの比が1対1なのか? この講義では、こうした問題について「進化」をキーワードとして答えていく。また人間を含む生物に見られる生物学的な雌雄差(性差)の具体例を紹介し、その進化的背景についても解説する。さらに人間の性分化(人間の性が受精卵から出産までに形作られていく過程)についても紹介する。

授業計画
1.生物とは、2.性と繁殖、3.なぜ「性」は存在するか?、4.なぜメスとオスしかいないのか?、5.動物の性差、6.人間の性差、7.性差を生み出すメカニズム、8.配偶者の獲得をめぐる競争、9.オス間競争とメスの選り好み、10.人間の性分化[1](受精卵から内部生殖器まで)、11.人間の性分化[2](外部生殖器から脳まで)、12.人間の性の多様性、13.動物たちの変わった性1:単為生殖、14.動物たちの変わった性2:性転換、15.人間の性の特徴、まとめ

授業の進め方
板書を中心とした通常の講義形式で行う。また必要に応じてビデオやスライド、ホームページ等の映像資料も用いる。

評価方法レポートあるいは筆記の形式で行う定期試験の成績(100%)。いずれの場合でも、与えられた課題を理解しているかどうか、そして論理的に書かれているかどうかを評価の観点とする。

事前・事後学修
授業終了後にノートを読み返し、その回の内容を整理しておくこと(15分)。授業の前に前回の内容を確認し、授業に臨むこと(10分)。

担当教員メッセージ
高校までの生物学とは、一味違った「生物学」をお届けします。この講義を受講することで、生物のことを学ぶ楽しさをしっていただければと思います。

キーワード生物、性、性差、人間

教科書:教科書は使用しない。

参考書:必要となる参考書はその都度示す。

後期定期試験問題
問 下記の語句をすべて用いて、人間を含む動物に、生物学的な性差、とくに行動の性差が生じてきた進化的メカニズムを解説せよ。また合わせて、性差が存在する場合、オスに「派生的」な性質が多く見られる理由を述べよ。
語句:精子、卵、運動性、栄養、資源、繁殖成功度、オス間競争、メスの選り好み、性淘汰

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