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 建築歴史意匠

A:フランスの近代建築史
 修士課程、博士課程ではフランスにおける1920-30年代の近代建築を専攻しました。とりわけ、当時の 代表的な近代建築家の一人、ロベール・マレ=ステヴァンス(Robert Mallet-Stevens, 1886-1945) の作品を研究対象とし、その成果を学位論文「建築家R.マレ=ステヴァンスの建築理念と造形手法に関する研究」にまとめました。

B:建築設計
 東京都立大学学部・大学院在学中、小林克弘教授の指導のもと研究室メンバーと共同、そして個人でも設計競技に参加し、そのうちのいくつかは入賞を果たしました。 椙山では、H20年度3年後期科目空間計画設計実習で、第4回須山建設がんこおやじマンションコンクールに参加し、指導した5チーム中4チームがグランプリ、準グランプリ等に入賞しました。

C:名古屋の建築やデザインの歴史
 東京生まれの東京育ちの私は2006年9月に名古屋に転勤して以来、この土地の風土、文化、食についての発見を日々楽しんでいます。東海地方独特の建築やデザインに関する研究を積極的に行っていきたいと考えています。例えば、H19年度は愛知県最古のキリスト教教会のファサードデザインの変遷に関する研究、H20年度は、愛知県の銭湯にあるタイルアートに関する研究、H21年度は第二次世界大戦前と戦後に愛知県を衷心に活躍した建築家・丹羽英二の3作品とアール・デコに関する卒業研究を指導しました。

  建築計画

A:フランスの団地更新手法
 2003年12月東京都立大学(2005年4月首都大学東京に改称)大学院工学研究科建築学専攻4-MetセンターCOE研究員就職後は、「団地型集合住宅トータルリモデル」プロジェクトに配属され、主に「フランスの団地更新事業の事例研究」を担当しました。首都大在職時の研究成果は、建築学会計画系論文集や「団地賦活事例集-フランス・日本-」(首都大学東京4-Met Center、2007年)にまとめられています。

近年のフランスの団地更新手法のなかで、もっとも重要な概念・手法のひとつはrésidentialisationで、その効果を今後も引き続き検証していく予定です。 ここ数年、社会住宅団地の改修について研究してきましたが、フランスの集合住宅ということで、最近はフランスのマンション管理についても勉強しています。長く使い続けるためにどうしたらよいのか、ハード面ソフト面から、フランスの経験を日本に紹介していきたいと考えています。

B :住宅とマチの間のデザイン

B-1 :日本のゲート付き戸建住宅地
 近年、ゲートのある戸建住宅地が散見されるようになりました。2008年春の時点で、私の研究室の調査では21件が販売中でした。なぜ、ゲートやフェンスで戸建住宅地を囲むのでしょうか?フェンスの内側と外側では住民は何を感じているのでしょうか?このような住宅地は増えていくのでしょうか?これは日本版「ゲーテッド・コミュニティ」なのでしょうか?このタイプの住宅に関する研究に、今後研究室としても大いに力をいれていく予定です。

B-2 :超高層住宅の足元のデザイン
 超高層住宅は大都市で近年急速に供給戸数を増やしています。住民数でいえば、それは村を縦に積み上げたようなもので、しかしながら、超高層住宅の住民はふつうの住宅街の住民と違い、なかなか住民同志お互いの存在を自然なかたちで認識することが難しいように思います。そして、超高層住宅の周辺の住民ともなかなか交わりにくいように思います。しかし、ひとたび大地震や大火災が起これば、住民同士助け合わなければなりません。そのとき、普段から何がしかの交流があれば、助け合いもよりスムーズに行われるのではないでしょうか。交流を促進し、非常の際に有効にはたらくスペースが超高層住宅の足元には必要ではないかと思います。名古屋市内・近郊の超高層住宅を対象に調査を行い、現況を把握し、災害に強く、周辺環境により溶け込める超高層住宅の足元のデザインを考えていきたいと思っています。