ようこそトカラの森のウシたちのページへ
2000年6月20日 更新
- このページでは、(少々古いですが)1980年代に始めに鹿児島県トカラ列島口之島で行った野生化ウシに関する現地調査に基づき、彼らの生態と社会を紹介しています。この調査は、家畜化の起源を探るという目的で行われました。
- ウシ(Bos taurus)は6000〜8000年前に、西アジアで原牛(Bos taurus primigenius)から家畜化されたと考えられています。この原牛は、1627年にポーランドで最後の1頭が捕獲され絶滅してしまいました。したがって、現在では家畜化される以前のウシがどのような生活を送っていたかを直接知ることはできません。そこで、家畜からふたたび野生化したウシの生活形態を知ることによって、野生生活を送っていたウシの生態と社会を、さらには家畜牛の起源について手がかりを得ようとしたのがこの研究です。
- 野生化ウシは世界的に見ても非常に稀な存在で、アメリカ領アリューシャ列島やフランス南部のローヌ川河口のカマルグなど限られた場所にしかいません。このほかイギリスのチリンガム自然公園には、原牛の形質を多く残すウシが50頭ほど生息していますが、彼らは冬季に餌を与えられており、完全な野生状態ではありません。日本では私たちが調査した口之島の野生化しウシが知られているだけです。
目次
- トカラ列島
- 口之島
- ウシたちの生息域
- 野生化ウシ 1
- 野生化ウシ 2
- 野生化ウシの捕獲
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